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[小話]遊戯王ゼアルでお世話になったエピソードを神谷明さんに語る畠中さん

 

神谷明 TALK!×3(2020/2/22)

  • 中学の頃にディズニーの吹き替えでお世話になった音響監督に誘われて、遊戯王ゼアルのオーディションに。
  • アニメの収録が完全に初めてだったのでテンパってテンパって、セリフなんか全然言えない。カードの説明セリフなんか全然わけがわからない。自分の中ではボロボロだった。
  • 後日オーディションで受かった理由を聞いたら「馬鹿っぽかった」と。「彼は何もわからないんだろうけど勢いだけはあるよね、元気だよね。それがすごく役に合ってるよね」と。
  • 16歳で遊戯王の主役に選んでもらってから、3年間レギュラーが続いた。その時に、いろんな役者さんがいっぱいいてその中で掛け合いをするということが、心がこんなに揺さぶられるんだ、っていうので動揺してセリフ噛んじゃったりとかいうこともいっぱいあった。それで「現場止めるんじゃないよ」と怒ってくださる人たちもいっぱいいたし、ちゃんと泥臭く教えてくださった方がいっぱいいた。
  • その3年間で「すごく声優って楽しいな」っていう面と「声優ってこんなに厳しいんだ」っていう面を両方味わうことができた。

(略)

  • 神谷明遊戯王の3年間というのは素晴らしい同僚や先輩に恵まれて、確実に育まれたというように思うんですね」
  • 神谷「リクエストを一曲。入野自由くんの『誰からも愛されるあなたのように』をリクエストしてくれたんだけど」

     遊戯王の現場で、畠中さんの相棒役が入野さん。当時畠中さん16歳、入野さん24~5歳くらい。ちょうど今の畠中さんが25歳。

    畠中「あの時の入野さんの、僕への向き合い方って、ちゃんと叱ってくれたし、ちゃんと居残りにもずっと付き合ってくれて、『お前今どういう気持ちで言ったんだ?』『どういうふうに相手を動かしたくてそのセリフ言ったんだよ』とかいろんなことを投げかけてくれて、そのたんびに考える機会をくれて。あの向き合い方って、当時の入野さんの年齢になった僕がもう一回考えてもやっぱすさまじいことだったなというか、後輩に向き合うってすごい勇気のいることだと思うし」
    神谷「そう! それでやっぱり…そんなにありがたいこともないよねぇ。想いがなければそういうことをしないから。入野くんの想い、それをしっかり受け取って今(畠中さんが)頑張ってる、これをまた入野くんが喜んでると思うよね」

 

(敬称略)

 神谷さんは神谷さんでもまさかの大御所神谷明さんの冠ラジオから。

 

 こちらの番組は事前にきっちり打ち合わせしてあらかじめゲストがどんな持ち玉を持ってるか聞いてから、どのエピソードをどの順番で喋るか事細かに決めてあるような進行でした。まあ他のラジオもおおむねそういうやり方なんでしょうけど、特に今回は意外感や行き当たりばったり感を一切出さずに整然と進めていく感じ。この辺りのどっしり構えてる感じが大御所感なんだろうなー。

 畠中さんが方々で入野さんの先輩エピソードを語ってくれださるのはいつものことですがw今回はゼアルに受かった経緯や現場の空気などの話も興味深かったので前半にピックアップしてみました。選ばれた理由がまさに遊馬。

 畠中さんは両親とも舞台役者という芸能一家育ち。児童劇団に在籍こそしていなかったようですが、ご本人の強い希望で子供の頃から一般公募オーディションを受けて吹き替えなどで活躍していたという、一種の子役上がり。そんなちょっと変わった経歴(芸歴)の畠中少年が、本格的に声優の道を進むきっかけとなったのがゼアルの現場での経験だった、と。

 

 実際にアドバイスされた内容(太字部分)も注目したいところ。

 ポイントは、声を張れとか大げさに演じろとかのアニメ的なテクニックではなく、キャラの内面を掘り下げる方向に指導していることですね。

 「役としてその瞬間を生きる」という芝居論は、ラジオやインタビューで入野さんがたびたび口にしています。シェーWAVEでは鈴村さんも「お芝居の基本」だと肯定していたはず。セリフをどう表現するかよりもまずキャラクターの感情や人格をいかに自分に取り込めるか、というのを大切にしているのがわかります。

 また、ハイキュー1期の座談会で、入野さんが『セリフは自分の感情を解消するために使っちゃいけない、相手を動かすためのセリフだと思って言ったほうがいい』というアドバイスを若手に惜しみなく伝えていたという話を、細谷さんから感心をもって賞賛されていましたが、すでにゼアルの時点で同様のことを実行していたわけですね。

 このアドバイスは入野さんがかつて先輩からもらったものだそうで、「受け継いだものを受け渡す」「業界に恩返し」という理念で一貫していることがわかります。

 どんなに子供時代からの蓄積があったとしても、24・5歳でストレートに後輩にアドバイスできるものかと。その蓄積がきちんと厚みと実態のあるものであり、そこからくる歪みのない正しい自信が身についており、加えておそらく作品作りに対する義務感みたいなものがよっぽど強くないと難しいんじゃないかなぁ…

 本当に、「善いこと」「正しいこと」を、まっすぐ照れずに自然体にできてしまう稀有な人物なのだなぁ、と再確認。

 

 しかしまさか畠中さん越しに神谷明さんへ入野さんのエピソードが伝わるとは…これぞ奇縁。

 Wikiをざっとしか見れてないんですが、入野さんと神谷明さんの共演っておそらく皆無に近いのではないかと。意外なほど接点がないんですよね。入野さんがゲスト出演した時のルパコナの小五郎は小山さんだったしなぁ。

 意外なところで人は繋がるものですねぇ。

 

 

 Amazonでもゼアルが見れる…いい時代になったもんだ。