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[小話]神在月のこども、キャスティングやアフレコの様子について

神在月のこども 公式サイト

 2021年の上映が決定している劇場アニメ『神在月のこども』から。

 入野さんは主人公の少女の前に現れる鬼の少年『夜叉』にキャスティングされています。すでに収録は終了済み。

 

 神在月のこどもの公式は先鋭的というのか先進的というのか、他のアニメとも一味違うプロモーションを積極的に広げていて、主に制作追体験などの動画コンテンツが充実しています。

 で、そのプロモーションの一環として、スタッフがライブ配信で制作状況などを語るという試みもあり、今回はそこからの抜粋。

 語りは原作・コミュニケーション監督の四戸俊成さん。変わった役職名ですが、一般的に言う「総監督」ってことになるのかな?

 

【公式】神在月のこどもライブ放送12(2020/6/26)

  • キャスティングはほぼご縁で決まった。全キャストオーディションは一回もやっていない。
    アニメーションをやるのが初体験なので、オーディションでやるということを選択肢としてあまり考えていなかった。
  • 神々=人でないものを演じられるのは、声優さんという特別な技術を持った方々。人々を演じてもらうのは、役を作るために役に成り代わるほどストイックに肉体改造にまで追い込まれる俳優さん女優さん。

 こういった劇場アニメはがっつりオーディションをやる印象だったのでちょっと意外。特に入野さんの場合は亡国のアキトなんかの例外を除いてほとんどオーディションだったんじゃないかな?

 なんというか導入から普通のアニメづくりと違う感じ。

 

[オファーの理由]

  • 夜叉は「強く感情を出すことで内面の繊細な部分に踏み込ませない」キャラクターとして造形した。心の中に美しいものを持っている少年。
    脚本を書いている時点で、すごく自然に入野さんに演じて頂きたいと思った。
  • まだ実現するかどうかわからない企画書の段階で「入野さんを想定しています」というのを勝手ながら書いていた。この企画書の想定を受けてアニメーションスタジオも配給会社も、夜叉というキャラクターを入野さんの声でイメージしていた。
    オファーに応じてもらえない可能性も高かったが、企画書に想定していた演者さんがほとんど受けてくれた。
  • きっかけとしては、ちっちゃな頃からジブリの作品に夢や希望をたくさんもらったので、あの素晴らしい役って誰がやっていたんだろう、というところから始まった部分もある。

 やべぇ、説明だけでハマリ役だとわかるわ…

 「心の中に美しいものを持っている」キャラ、あの方どんだけやりましたっけね。持ってなかったキャラを挙げたほうが早いレベルじゃないでしょうかw

 私の場合はKH2のソラの言葉からにじむ優しさに魅せられたのが最初でした。あれはもう、製作者が思ってもみなかったレベルのものが出ているのではないのかと思えるほど。

 っと、閑話休題

 企画書段階で入野さんの名前が出たというのは、言の葉の庭でもありましたね。星を追う子どもで入野さんのお芝居を気に入った新海監督が、キャスティングの見通しも立っていない頃からタカオの声は入野さんを想定して企画書に書き込んでいたそうな。のちにちゃんとオーディションもやったみたいですけどね。

 原作・製作者としては、これ!と思った人とマッチングできたら嬉しいだろうなぁ。原作者の意向だけでは通らない大人の事情も多々あると聞きますし。

 

 さて、 生配信は途中からプロデューサーが参加。

 公式サイトに名前がなくて往生しましたが、各所から情報を集めたところ「オシア ウコ」という名義のプロデューサーということでした。なんと舞台俳優出身だそうで、そちらの活動は「葦澤 恒」名義…ということなのかな?(参照:役員紹介|Gentle Underground Monkeys(GUM株式会社)

[入野さんの印象]
  • 視聴者が聞きたいのは入野さんの話だろう、ということでアフレコ時のエピソードを紹介。
  • ウコP「僕の印象だけで言うと、非常に好青年という印象。入り時間も早くて、30分ぐらい前に入っていて。ずっと台本を見ながら準備をされてる様子とか、アフレコの時に耳で自分の声を聞きながらやるっていうこともされていたし、向き合い方がすごく真摯な方だっていう印象はすごく受けましたね」
  • アフレコを全部抜き撮りにしたことで少しずつ時間が押していた。
    入野さん30分前に入ってくれたけど、収録自体は30分ぐらい押してたから、さらに30分ぐらいお待たせしてしまった。
    午前中からぶっ続けでやってて、入野さんに入ってもらったのが16時・17時辺り。スタッフはその頃にようやく昼ご飯が食べれるという状況。
    四戸監督は入野さんのところに行って「控室でお待ちください」と案内したが、入野さんはわざわざ控室には行かずに、アフレコのブースがあるフロアの奥まったソファでコンセントレーションを高めていた様子だった。
    「すごく押しちゃってごめんなさい」と四戸監督がお詫びしたら、入野さんは『いいですいいです、もう全然いいから、お昼食べれてないと思うんで、お昼みなさん食べてください』と言ってくれた。入野さんを待たせてお昼ごはんを食べるというのは抵抗があったけど、入野さんがそう言ってくれたことで、本当に優しいし素敵な方だなと思った。

(敬称略)

 出ました「好青年」。業界人が入野さんを評する誉め言葉としてたびたび漏れ聞こえてくる表現ですね。だいぶ前に「好青年」(という名称の)役をやった時はちょっとしたネタみたいになってたそうですがw …ノラゲキ! は今見たらオチがタイムリーすぎてやばい。

 さておき、具体的なエピソードもさりげないものながら人柄が窺えます。なんというか、誰に対しても対等なんですよね。自分は役者だから、相手はスタッフだからといった線引きをしない感じ。まあ名目上の立場の違いはあるけれど、根本的には人に上も下もない。有名とか無名とかの差は人間の価値を決めるものではない。

 入野さんの優しさやフランクさは、そういう「誰も特別ではないから」という感覚に根差しているような印象を受けます。

 

[アフレコ直後のインタビュー]

  • 作品に対する思いをインタビューした中で、スタッフが痺れるような熱いメッセージをもらえた。作り手からすると作品に込めた思いを掴んで、それをコメントで話してくれる感じは痺れた。
    制作の提案段階から考えていたコンセプトを、入野さんには伝えていなかったのに、入野さんがアフレコ直後のインタビューで語ってくれたというのが物凄く嬉しかった。
    ウコP「最高でしたね」
  • このインタビューはムービーで撮影しているので、今後何かの形で公表される模様。

(敬称略)

 公式ツイッター上でも披露されていたエピソード。

 物語に込められたメッセージ、製作者の想いを読み解く力。そういったものも、役者としての技量の一つなんでしょう。

 しかしほんと、この人たらしぶりよw これだけのことをスタッフに言わせる言葉がどんなものだったのか、映像公開が楽しみです。

 

  • 四戸監督もウコPも言の葉の庭大好き。
    P「僕は言の葉の庭がたまらなく好きなので…」
    四「ww」
    P「やっぱあの、階段のシーンで叫ぶ感じがもう…」
    四「ww」
    P「最高な人に夜叉をやって頂けて…もう…」
  • ウコPは入野さんと言の葉の庭のアフレコの話もした。
    入野さんのシャウトする感じが、耳心地がソフト。普通は「がなる」という感じで、叫ぶと聞きにくくなる。でも入野さんのシャウトの感じは聞きごたえが気持ちいい。あれはもう技とか素質とか声帯の作りがいいんだろうと思う。

(敬称略)

 『言の葉の庭』はご存じ新海監督作品。大ヒットした『君の名は。』の前作ですね。入野さんは星を追う子どもから続けての出演。ラストの階段シーンの名演はとりわけ評価が高く、業界内からもたびたび賞賛の声が漏れてきます。

 「叫ぶ」=「がなる」になりがち、というのは本職の役者でもあるウコさんならではの視点ですね。入野さんご自身が考察していた「毒づいてもあまりいやな感じがしないと言われるのは生まれ持った声質のおかげかも」(出典:ラジオ『裏方』)というのにも通じる話。

 っていうか単純に、本職の役者さんに「最高な人」って言ってもらえてるのすごすぎるな…

 

  • 未発表キャストの中にはものすごい有名声優さんが揃っているが、その方々も、入野さんと真綾さんをあのキャラに据えたということを褒めてくれていた。「あの二人は間違いないから」と。

  現在発表されているキャストは、主人公役の蒔田彩珠さん(女優)、喋る白兎の坂本真綾さんと夜叉の入野さんのみ。「人は俳優、神は声優」というキャスティングの仕方をしてるそうです。

 未発表キャストは「誰もが知っているような大物」といった紹介がされています。ニュアンス的に、有名作品で名の知れた50代以上のベテランから大御所・レジェンド級じゃないと「誰もが知っている」にはならないかな。

 やっぱり業界内の信頼感はんぱない。どんな方々が褒めてくださったのか、答え合わせが楽しみです。

 

  • 監督も終電の兼ね合いで、入野さんのインタビュー直後に帰らなければならなかった。
  • その後サインを書いている入野さんの姿は別のスタッフさんの手で無事写真に納められた。入野さんの事務所のみなさんのおかげ様。

 アフレコ当日の流れはツイッターで写真付きで実況されていました。

 入野さんは二日目のアフレコの最後の最後に登場。

 キャストさんの写真はほぼ背中だけ…かと思いきや、 入野さんのみサイン中のお写真が上がるという意外な展開に。

 直前のインタビューの映像収録の流れでそのままって感じかな。ちゃんと準備した状態だとわりと写ってくれる、というまあまあ当たり前のお話。

 

 以上、公式配信の入野さん関連部分でしたー。

 あ、最後にPVも貼っとこう。

www.youtube.comhttps://www.youtube.com/watch?v=eNR7NOOuYxs&feature=emb_logo

 この、初見で「え、ほんとにこれ入野さん!?」ってなるやつね。何度これやられたか。同じ声のはずなのにキャラごとにちゃんと違う人物なんだもんなー。名人芸すぎる。

 インタビュー動画公開と上映が楽しみですね!

 

 

 神在月のこどもはまだ商品がないので、アイキャッチは話題になった言の葉の庭で。

言の葉の庭

言の葉の庭

  • 発売日: 2014/11/15
  • メディア: Prime Video
 

 

 こっちはAudible版。オリジナルキャストの朗読が聞けます。星を追う子どものAudible化も待ってる。

小説 言の葉の庭

小説 言の葉の庭

  • 作者:新海 誠
  • 発売日: 2018/11/05
  • メディア: Audible版