アニメ『ユーレイデコ』インタビュー公開。
めちゃくちゃ良質のインタビュー。プロの心構えがほんと端々に宿ってます。
特に、
その引き裂かれている部分を、キャラクターの中でどんどん大きくしていく作業が大事でした。
…これはちょっとした明言だと思う。どれほど深く、それでいてナチュラルにキャラクターと向き合っているのか、計り知れないものがありますね。
さらにこちら、実は7/30の記事で文字通り取りこぼしていたのですが、川勝未来さんと永瀬アンナさんの対談でも入野さんのことが話題に上がってます。
永瀬:(役を)あんまり作り込まないでほしい、って言われたんです。
川勝:練習しすぎないで、役を演じるってどうしたら良いんだろうと思って、入野(自由)さん(フィン役)に「どうしたらいいんですか?」って聞いたんです。そうしたら「じゃあ、2回だけV(リハーサル用の映像)を見て、そのまま収録に来ればいいんだよ」と言われたから、そっかと思って。それで収録現場に行ったら、めっちゃ怖かった(笑)。でも、なんとか収録できたから良かったなと。
永瀬:入野さんの存在は大きかったよね。収録が終わった後、帰り道で入野さんに「なんでキャラを立たせて、ナチュラルにお芝居ができるんですか」と聞いたんです。そうしたら、「普通の日常で動いているようにするんだよ。転ぶシーンなら実際に転んでみたりするんだよ」と。リアルな動きに、リアルな声がつくからキャラクターが立って見えたり、生きているように見えるんだなって。すごく感動して、次から頑張るぞって思えたんです。
川勝:入野さんがいろいろと教えてくれたから。自分なりのやり方でやってみたりして。『ユーレイデコ』だけでなく、他の作品の現場でも試してみたりして。入野さんと出会えて良かったなと思います。吸収させてもらったなって感じです。
――入野さんの演じるフィンはいかがでしたか。
川勝:もう最高ですよ、最高ですよ。はい。
永瀬:すごい好きだよね。
川勝:フィンは美しいから好きなんです! 美しいから、彼は! 歩く美!
――入野さんとも掛け合うシーンが多かったと思いますが。
川勝:多かったね。
永瀬:たくさんあった。
川勝:入野さんにはご迷惑をたくさんおかけしました。
永瀬:最初はふたりだけで収録を進めていくのかなって思っていたんです。そうしたら入野さんが加わってくれて、ユーレイ探偵団(怪人0と0現象を追う、ユーレイたちによる探偵団)のメンバーや依頼人役の方がどんどん入ってくれて。毎回刺激を受けました。
川勝:そうなんだよ。あの人たちはみんなパッとすごいお芝居をするから。私だって私だってって思うけれど……。
永瀬:大先輩のみなさんは、自分が納得できなかったところを、スタッフさんとお話しするんです。自分の考えをちゃんと述べたうえで、あらためて新しいお芝居をされるので。これは私も見習おうと思いました。
川勝:本当に勉強になりました。いっぱい贈り物をもらってしまった。すばらしい現場でした。
(略)
永瀬:自分のキャラクターの名前が『ハックルベリー・フィン』から来ているって、そもそも知らなくて。収録している最中にいろいろ調べていたら、その由来を知って。未来と入野さんに伝えに行ったら、ふたりとも気づいていて……。知らなかったの私だけ!? って(笑)
結構ガッツリ話題になってますね。また後輩の面倒見て尊敬されていらっしゃる。
「転ぶシーンなら実際に転んでみたりする」というのははっとする一言。日常の自分自身そのままを出せばナチュラルな芝居になるわけじゃなく、一度自分の身体を使って試してみて──いわば研究して、それを芝居に乗せるわけですね。自然な芝居を自然に聞かせるためには、感覚や才能だけじゃない努力がちゃんとそこにあるんだなあとしみじみ。
夕食の準備し始めながら未熟な主人公を諭す姿があまりにもオカン。